心地よさを求めて
アドラー心理学からみる感情論
ポール・ラスムッセン 著/今井康博 訳
感情は、古今東西人々の注目と関心を集めてきたが、一方では理性や合理性を曇らせ損ねるものとして蔑み、疎まれることもしばしばだった。果たして感情とは私たち人間にとって「忌まわしい」存在なのだろうか?
アドラー心理学の基本理論に加えセオドア・ミロンの進化論的行動原理モデルを軸に論理を展開する本書によれば、私たちは、自分を受け入れてもらえた、認めてもらえたと感じる、あるいは危険や脅威ととらえる物事や状況が払拭されたと感じるときに「心地よさ」を覚え、常にその感覚への欲求を抱いているという。一般にポジティブかネガティブのどちらかでとらえられる感情は、そのどれもがこの「心地よくあるため」という利己的な目的を果たす行動を起こすために、私たちがその都度主体的に選びながら使っているものだとの本書の主張は、私たちの「常識」を問い直すものである。
本書の繰り広げる感情論は、究極的には自分自身の感情に向かい合う上でのより成熟した姿勢とその責任を問うものであろう。
A5判 420頁 ISBN978-4-7610-0945-8 2022年6月刊行
定価4,950円(本体4,500円+税)
教育史の基点と対象
花井 信 著
【一部】 ①学問が公衆に開かれて万人のものになる。②学問が理解可能な形になる。③子どもの内に成長したいという欲求があることを認める。これら三つが教育史の成立する基点である。ヘーゲルの哲学を軸に、デューイ、スミスの思想を絡み合わせながら考える。
【二部】 近代日本の教員の勤務状況―期間が短期である、移動が頻繁である、無資格教員を間に合わせに雇う―を指摘する。その上で、教員の教育活動―教案の作成、評価方法、職員会議の性格に焦点化しながら、それらの史的意義を再考する。
最後に、子どもに人気の教材「おおきなかぶ」が、日本の子どもに紹介された原型と変容を紹介する。教材としての意味を考えるヒントを得たい。
A5判 246頁 ISBN978-4-7610-0946-5 2022年6月刊行
定価3,300円(本体3,000円+税)
THE NATURE OF SOCIAL WORK
ソーシャルワークとは何か
その本質と機能
ゾフィア T.ブトゥリム 著 川田誉音 訳
社会福祉のあり方が問われている今日、それを支えるソーシャルワークも、その本質と機能についての深い洞察と反省が迫られている。ソーシャルワークの全体像を明らかにした本書は、統合化と専門職化の立ち遅れたわが国のワーカーに示唆を与える。
A5判 214頁 ISBN978-4-7610-0331-9 1986年2月刊行
定価2,970円(本体2,700円+税)
日本教育の根本的変革
村井 実 著
私の率直な見解は、「教育」というのは、少なくとも日本では、もともと日本国民個々人の人間的成長や充実や成熟を意図したものではなく、またそうしたことに役立とうという性質のものでもなかったのではないか?ということである。
ただ、「近代化」を目標に激動する国家の状況と要求に合わせて、明治維新以来太平洋戦争の敗戦に至るまで、その時々に相応しいと見えた知識や技術、ものの見方・考え方への「教化」(啓蒙)の働きを、「政府」が国民に対して繰り返してきただけのものではなかったのか?そして敗戦後も、「民主化」という理念こそ新しく加えて掲げたものの、依然として同じく国家の「近代化」に向かっての「教化」の働きを続けて、そのまま今日にいたっているのではないか?ということである。第一章より
四六判上製 188頁 ISBN978-4-7610-0896-3 2013年11月刊行
定価2,200円(本体2,000円+税)
メールカウンセリングの技法と実際
オンラインカウンセリングの現場から
中村洸太 編著
インターネットの発展が人々の心に与えた影響はとても大きい。こうした世の中の動きを感じ、メールなどインターネットを用いて人々の心に寄り添える"カウンセラー"の養成が、喫緊の課題となっています。本書は、昨今のオンライン事情やインターネットにおけるコミュニケーションの移り変わり、インターネットに現れる人の心模様から、メールカウンセリングの歴史や論理、メールカウンセリングを行う上での「読む力」や「書く力」のトレーニング、事例の検討、これからのインターネットを介したカウンセリングの展望など、オンラインカウンセリングの「今」を11の章+8つのコラムで学びます。技法だけにこだわらず、インターネットという世界に人々の心がどのように投影されているのかを、ぜひ想像しながら読み進めてください。
オンラインカウンセリングの現代の到達点を確認し今後を展望する最新書。
A5判 232頁 ISBN978-4-7610-0915-1 2017年3月刊行
定価2,640円(本体2,400円+税)
「社会教育学研究 第57巻(2021/6)」に
教育学特別講義
の書評が掲載されました
心地よさを求めて
アドラー心理学からみる感情論
ポール・ラスムッセン 著/今井康博 訳
感情は、古今東西人々の注目と関心を集めてきたが、一方では理性や合理性を曇らせ損ねるものとして蔑み、疎まれることもしばしばだった。果たして感情とは私たち人間にとって「忌まわしい」存在なのだろうか?
アドラー心理学の基本理論に加えセオドア・ミロンの進化論的行動原理モデルを軸に論理を展開する本書によれば、私たちは、自分を受け入れてもらえた、認めてもらえたと感じる、あるいは危険や脅威ととらえる物事や状況が払拭されたと感じるときに「心地よさ」を覚え、常にその感覚への欲求を抱いているという。一般にポジティブかネガティブのどちらかでとらえられる感情は、そのどれもがこの「心地よくあるため」という利己的な目的を果たす行動を起こすために、私たちがその都度主体的に選びながら使っているものだとの本書の主張は、私たちの「常識」を問い直すものである。
本書の繰り広げる感情論は、究極的には自分自身の感情に向かい合う上でのより成熟した姿勢とその責任を問うものであろう。
A5判 420頁 ISBN978-4-7610-0945-8 2022年6月刊行
定価4,950円(本体4,500円+税)
教育史の基点と対象
花井 信 著
【一部】 ①学問が公衆に開かれて万人のものになる。②学問が理解可能な形になる。③子どもの内に成長したいという欲求があることを認める。これら三つが教育史の成立する基点である。ヘーゲルの哲学を軸に、デューイ、スミスの思想を絡み合わせながら考える。
【二部】 近代日本の教員の勤務状況―期間が短期である、移動が頻繁である、無資格教員を間に合わせに雇う―を指摘する。その上で、教員の教育活動―教案の作成、評価方法、職員会議の性格に焦点化しながら、それらの史的意義を再考する。
最後に、子どもに人気の教材「おおきなかぶ」が、日本の子どもに紹介された原型と変容を紹介する。教材としての意味を考えるヒントを得たい。
A5判 246頁 ISBN978-4-7610-0946-5 2022年6月刊行
定価3,300円(本体3,000円+税)
THE NATURE OF SOCIAL WORK
ソーシャルワークとは何か
その本質と機能
ゾフィア T.ブトゥリム 著 川田誉音 訳
社会福祉のあり方が問われている今日、それを支えるソーシャルワークも、その本質と機能についての深い洞察と反省が迫られている。ソーシャルワークの全体像を明らかにした本書は、統合化と専門職化の立ち遅れたわが国のワーカーに示唆を与える。
A5判 214頁 ISBN978-4-7610-0331-9 1986年2月刊行
定価2,970円(本体2,700円+税)
日本教育の根本的変革
村井 実 著
私の率直な見解は、「教育」というのは、少なくとも日本では、もともと日本国民個々人の人間的成長や充実や成熟を意図したものではなく、またそうしたことに役立とうという性質のものでもなかったのではないか?ということである。
ただ、「近代化」を目標に激動する国家の状況と要求に合わせて、明治維新以来太平洋戦争の敗戦に至るまで、その時々に相応しいと見えた知識や技術、ものの見方・考え方への「教化」(啓蒙)の働きを、「政府」が国民に対して繰り返してきただけのものではなかったのか?そして敗戦後も、「民主化」という理念こそ新しく加えて掲げたものの、依然として同じく国家の「近代化」に向かっての「教化」の働きを続けて、そのまま今日にいたっているのではないか?ということである。第一章より
四六判上製 188頁 ISBN978-4-7610-0896-3 2013年11月刊行
定価2,200円(本体2,000円+税)
メールカウンセリングの技法と実際
オンラインカウンセリングの現場から
中村洸太 編著
インターネットの発展が人々の心に与えた影響はとても大きい。こうした世の中の動きを感じ、メールなどインターネットを用いて人々の心に寄り添える"カウンセラー"の養成が、喫緊の課題となっています。本書は、昨今のオンライン事情やインターネットにおけるコミュニケーションの移り変わり、インターネットに現れる人の心模様から、メールカウンセリングの歴史や論理、メールカウンセリングを行う上での「読む力」や「書く力」のトレーニング、事例の検討、これからのインターネットを介したカウンセリングの展望など、オンラインカウンセリングの「今」を11の章+8つのコラムで学びます。技法だけにこだわらず、インターネットという世界に人々の心がどのように投影されているのかを、ぜひ想像しながら読み進めてください。
オンラインカウンセリングの現代の到達点を確認し今後を展望する最新書。
A5判 232頁 ISBN978-4-7610-0915-1 2017年3月刊行
定価2,640円(本体2,400円+税)
「社会教育学研究 第57巻(2021/6)」に
教育学特別講義
の書評が掲載されました
検索について
心理
福祉
教育
社会
哲学
統計
生物
農学
園芸
医学
文芸
0
図書目録
ダウンロード
新刊紹介